2004年 11月 01日
マスコミ批判にマスコミ人が反論 |
ネットに蔓延する安易なマスコミ批判に対して、報道関係者のブログが反論を唱え始めた。
「ガ島通信」さんは「何を楽しむのか」で「週刊!木村剛」の「これが新潟県中越地震の真実だ!」の記事に激しく抗議している。
「ガ島通信」さんはその後「取材の現場から」という書き込みの連載を始め、自分の考えをもう少し詳しく説明している。
同じく新聞関係者の「新聞を笑え」さんは「マスコミ批判」の書き込みの中で次のように主張している。
一方、IdealBreakさんも別件で、「週刊!木村剛」に反論している。このIdealBreakさんは非常にユーモアに富んだ書き込みをされるので、放送作家かお笑い芸人と勘違いされている読者もいるかもしれないが(いないって)、実は新聞関係者だ。
「それもまた紋切り型。今回のゴーログはずるいと思うぞ」から。
少し前になるが「ジャーナリズム考現学」さんは安易な記者クラブ批判に対し警鐘を鳴らしている。記者クラブは受け身?から
こうした書き込みのコメント欄にはほとんどの場合、「マスコミに対する認識を改めました」というような読者の声が寄せられている。
マスコミ業界の現状に問題があることは事実。「ガ島通信」さんも「新聞は裸の王様」という書き込みにあるように、新聞の問題を十分認識している。
ただそうした問題は解決可能だとわたしは思う。
わたし自身、志を持って仕事をする誠実な人間がこれだけ多く集まっている業界はほかにないのではないか、と思うほど、立派な記者を多くみてきた。決してネット上で言われているような腐りきった業界ではない、というのがわたしの実感だ。
マスコミの問題を解決するには、まず読者との対話から始めるべきだとわたしは考える。わたしが、ことあるごとにマスコミ人にブログを勧めるのはこのためだ。記者ブログの先兵たちが、新しい時代を切り開こうとしていることをわたしは非常にうれしく思います。
追記:災害報道の姿勢について、「ジャーナリズム考現学」さんにご意見をうかがった。「災害報道を考える」をぜひお読みください。また「ガ島通信」さんの「取材の現場から」の連載も新聞には載らない被災地の現場リポートとして興味深いものがあります。傍若無人なマスコミ人もいるが、まじめに取り組んでいるマスコミ人も多いのです。
追記その2:あなたの同業者は、マスコミ批判一色のネットの世界の中で、こんなにがんばっています。あなたもそろそろブログの書き込みを再開されてはどうですか。あまりにも打たれ弱過ぎませんか、共同通信の小池編集委員。
追記その3:木村剛さんが「ブログに文句つける前にマスコミの方を矯正してほしい」と反論されています。木村さんは、これまで何度もマスコミ被害に遭われているようです。マスコミがここまで木村さんを傷つけたことに対し、マスコミ側の人間として非常に遺憾に思います。業界の体質を変えることができない責任は、中堅の立場にいるわたしにもあります。本当に申し訳ありません。風通しのいい参加型ジャーナリズムを一日も早く確立させることで、こうした被害を少なくしていきたいと思います。
ただ繰り返しになりますが、だめなマスコミ人も多いですが、立派なマスコミ人も多くいます。「マスコミが『真実』を伝えることなど、もはや私は期待していないのです」などとおっしゃらずに、マスコミ「矯正」にご協力いただけませんか。
「ガ島通信」さんは「何を楽しむのか」で「週刊!木村剛」の「これが新潟県中越地震の真実だ!」の記事に激しく抗議している。
これがパワーブログのやることか。木村剛氏のブログに「これが新潟県中越地震の真実だ!」の記事。かねてから既存メディアに不信感を募らせている木村氏が現地でのマスコミの悪行を他のブログを引用することで紹介しています。このネタの真偽はネットde監視、地方議会さんの「小千谷市民の声?」が書いているように、私自身も少々疑問を持っています。もちろん、被災地のマスコミへの怒りは分かります(これは想像ですが、マナーもないし、配慮もない。マスコミは本当にひどい行動を取っているのだろうと私も思います)、ただし、元ネタをたどると2ちゃんねるなどのようです(パソコンに詳しくないので、誰か元ネタをたどってくれると助かります)し、引用にはもう少し慎重になってもいいと思います。
問題は、このステレオタイプのマスコミ批判の記事を「真実だ!」(真実というからには、裏は取っているはず…)とセンセーショナルに木村氏のブログのように影響力のあるところが取り上げたということです。
「ガ島通信」さんはその後「取材の現場から」という書き込みの連載を始め、自分の考えをもう少し詳しく説明している。
被災者のプライバシーを踏みにじるマスコミ。取材に行きながら救出されるマスコミ。功名心にかられ、スクープやセンセーショナルに走る。最低です…。 ただそれも否定しようのないマスコミの側面です。一方、何とか現地の様子を伝えたいと取材活動をしている人もいます。紙面のスペースで伝えきれないことや、「ネタにならない」とデスクに言われて歯がゆい気持ちを持っている、そんな一面も知ってもらいたいと思い、現地に入っている何人かの私の友人にリポートをお願いしました。ネットに蔓延するステレオタイプのマスコミ批判ではなく、今後のメディアをいかに災害に役立つものにしていくかの冷静な議論の役に立てば幸いです
同じく新聞関係者の「新聞を笑え」さんは「マスコミ批判」の書き込みの中で次のように主張している。
木村氏の感情的なマスコミ批判は、ブログの世界の限界を感じずにはいられませんでした。ネットワークを利用して、主観的な「アンチ現マスコミ論」を展開していらっしゃるだけで、どこにも建設的な雰囲気が感じられません。他を批判することは簡単なことですが、テーゼとアンチテーゼをぶつけ、潰し合いをしたのでは、何も生まれないと思います。より良い、これからの時代の新しいジャーナリズムを築き上げていこう、ということを、ブロガーと現マスコミ人で考えていくべきではないのでしょうか。そういう気持ちでここ(ブログ)に毎日来るようになったのに、影響力の大きい、ある種のメディアとも呼ぶべき木村氏のブログで、このような騒ぎが起きたことが、非常に残念でなりません。
ある記者から、こういう話を聞いたことがあります。
事故で幼い子が亡くなると、デスクから「遺族から子どもの顔写真を借りてこい」といわれる(今では少なくなったらしいけど)。霊前に手を合わせ、遺族に「こんな時に申し訳ないのですがが・・・」と切り出すと、まず「出て行け」と追い返される。それでも、「このような事件が2度と起こらないようにと社会に伝えるためなんです・・・」と説得を続ける。
私に経験はありませんが、必ず記者がぶつかり、悩む、ひとつの壁だそうです
一方、IdealBreakさんも別件で、「週刊!木村剛」に反論している。このIdealBreakさんは非常にユーモアに富んだ書き込みをされるので、放送作家かお笑い芸人と勘違いされている読者もいるかもしれないが(いないって)、実は新聞関係者だ。
「それもまた紋切り型。今回のゴーログはずるいと思うぞ」から。
「一番重要な問い掛け」をあいまいにしたまま、「紋切り型の報道」をいさめるように結ぶのは、議論を煙に巻くというか、ズルくないですか。「マスコミは紋切り型だ」というのもまた紋切り型だと思うのです。
少し前になるが「ジャーナリズム考現学」さんは安易な記者クラブ批判に対し警鐘を鳴らしている。記者クラブは受け身?から
つまり、マスコミは決して記者クラブで口を開けて待っている訳ではないのだ。派手ではないかもしれないけど、それなりに記者クラブに頼らずに独自に情報を集め、読者に提示しているのだ。
こうした書き込みのコメント欄にはほとんどの場合、「マスコミに対する認識を改めました」というような読者の声が寄せられている。
マスコミ業界の現状に問題があることは事実。「ガ島通信」さんも「新聞は裸の王様」という書き込みにあるように、新聞の問題を十分認識している。
ただそうした問題は解決可能だとわたしは思う。
わたし自身、志を持って仕事をする誠実な人間がこれだけ多く集まっている業界はほかにないのではないか、と思うほど、立派な記者を多くみてきた。決してネット上で言われているような腐りきった業界ではない、というのがわたしの実感だ。
マスコミの問題を解決するには、まず読者との対話から始めるべきだとわたしは考える。わたしが、ことあるごとにマスコミ人にブログを勧めるのはこのためだ。記者ブログの先兵たちが、新しい時代を切り開こうとしていることをわたしは非常にうれしく思います。
追記:災害報道の姿勢について、「ジャーナリズム考現学」さんにご意見をうかがった。「災害報道を考える」をぜひお読みください。また「ガ島通信」さんの「取材の現場から」の連載も新聞には載らない被災地の現場リポートとして興味深いものがあります。傍若無人なマスコミ人もいるが、まじめに取り組んでいるマスコミ人も多いのです。
追記その2:あなたの同業者は、マスコミ批判一色のネットの世界の中で、こんなにがんばっています。あなたもそろそろブログの書き込みを再開されてはどうですか。あまりにも打たれ弱過ぎませんか、共同通信の小池編集委員。
追記その3:木村剛さんが「ブログに文句つける前にマスコミの方を矯正してほしい」と反論されています。木村さんは、これまで何度もマスコミ被害に遭われているようです。マスコミがここまで木村さんを傷つけたことに対し、マスコミ側の人間として非常に遺憾に思います。業界の体質を変えることができない責任は、中堅の立場にいるわたしにもあります。本当に申し訳ありません。風通しのいい参加型ジャーナリズムを一日も早く確立させることで、こうした被害を少なくしていきたいと思います。
ただ繰り返しになりますが、だめなマスコミ人も多いですが、立派なマスコミ人も多くいます。「マスコミが『真実』を伝えることなど、もはや私は期待していないのです」などとおっしゃらずに、マスコミ「矯正」にご協力いただけませんか。
by tsuruaki_yukawa
| 2004-11-01 23:06