2005年 02月 02日
神奈川新聞に対する期待 |
昨日は出勤前に神奈川新聞のニュースを発見し、大慌てでエントリーを書いた。時間がなく簡単な紹介しかできなかったので、あらためて神奈川新聞のサイトが参加型ニュースサイトになった意義を考えてみたい。
同新聞社がニュースサイトをブログ形式に変更したことは、業界の外にいらっしゃる皆さんには想像できないくらい大変なことだと思う。新聞業界は基本的にリンクさえ認めていない。業界関係者があつまれば「グーグルニュースけしからん」「RSSけしからん」という話になることもよくある。トラックバックも「もってのほか」という意見が圧倒的に多い。そんな中で、神奈川新聞はリンクはもちろんのこと、コメント、トラックバック、市民記者(ホロホロさん)まで取り入れたサイトを構築したのだ。
わたし自身、あと数年もすればネットの特性を理解する業界関係者が増えて報道機関による参加型ニュースサイトも登場するだろうと考えていたが、まさかこんなに早くそれが実現するとは夢にも思っていなかった。まさに青天の霹靂だった。
若手の新聞人の中には自分の将来、自分の新聞社の将来、ジャーナリズムの将来を、参加型サイトに託したいと考えている人も多い。今回こうした前例ができたおかげで、重い腰を上げようとする新聞社も出てくるだろう。神奈川新聞の今回の試みは、若手の新聞人に希望を与えてくれた。神奈川新聞の関係者のみなさんには、心からお礼を申し上げたい。
さてここからは神奈川新聞に対するわたしからの期待です。
今は、立ち上げたばかりのサイトをうまく運営することに全力を注がなければならない時期だとは思うのだが、いずれ落ち着けば次の目標に向かって進んでいただきたい。
「Long Tail」のエントリーでも書いたが、情報ニーズの最大公約数をさぐる分野(つまり現状の報道事業)の今後の成長はほとんど期待できない。今後期待できる分野は、最大公約数的な情報(つまりニュース)が流れたあと、ネット上で議論が深まると同時に、ニッチな分野に分散していく過程にあると思う。いわゆるLong Tailの部分だ。ここをどうビジネスにするかが、報道機関が現在抱えている最大のチャレンジだとわたしは思う。
異なるブロガーの主張を対比させて立体的に真実に迫る見せ方や、エントリーの内容を自動識別し図表であらわす技術、議論のモデレーターを務める記者ブロガーの育成など、いろいろなやり方があると思う。そうした試行錯誤をへてLong Tailをサイトの中に取り組むノウハウを確立するのだと思う。
このノウハウを確立するための果敢な挑戦をこれからも継続していただきたい。そしてどこよりも早くこのノウハウを確立したのであれば、全国的な言論空間の確立に向けて進んでいただきたい。今はまだニュースサイトのデファクトスタンダードは確立していない。最大の言論空間を備えたニュースサイトを確立したところが、デファクトになるのだとわたしは思う。
インターネットには地理的制約はない。地方紙はネット上でも地方紙であり続ける必要はない。
この時期にブログサイトを構築できるような企業なら、Long Tailの取り込みにも必ず成功すると思う。ぜひがんばっていただきたいと思います。
同新聞社がニュースサイトをブログ形式に変更したことは、業界の外にいらっしゃる皆さんには想像できないくらい大変なことだと思う。新聞業界は基本的にリンクさえ認めていない。業界関係者があつまれば「グーグルニュースけしからん」「RSSけしからん」という話になることもよくある。トラックバックも「もってのほか」という意見が圧倒的に多い。そんな中で、神奈川新聞はリンクはもちろんのこと、コメント、トラックバック、市民記者(ホロホロさん)まで取り入れたサイトを構築したのだ。
わたし自身、あと数年もすればネットの特性を理解する業界関係者が増えて報道機関による参加型ニュースサイトも登場するだろうと考えていたが、まさかこんなに早くそれが実現するとは夢にも思っていなかった。まさに青天の霹靂だった。
若手の新聞人の中には自分の将来、自分の新聞社の将来、ジャーナリズムの将来を、参加型サイトに託したいと考えている人も多い。今回こうした前例ができたおかげで、重い腰を上げようとする新聞社も出てくるだろう。神奈川新聞の今回の試みは、若手の新聞人に希望を与えてくれた。神奈川新聞の関係者のみなさんには、心からお礼を申し上げたい。
さてここからは神奈川新聞に対するわたしからの期待です。
今は、立ち上げたばかりのサイトをうまく運営することに全力を注がなければならない時期だとは思うのだが、いずれ落ち着けば次の目標に向かって進んでいただきたい。
「Long Tail」のエントリーでも書いたが、情報ニーズの最大公約数をさぐる分野(つまり現状の報道事業)の今後の成長はほとんど期待できない。今後期待できる分野は、最大公約数的な情報(つまりニュース)が流れたあと、ネット上で議論が深まると同時に、ニッチな分野に分散していく過程にあると思う。いわゆるLong Tailの部分だ。ここをどうビジネスにするかが、報道機関が現在抱えている最大のチャレンジだとわたしは思う。
異なるブロガーの主張を対比させて立体的に真実に迫る見せ方や、エントリーの内容を自動識別し図表であらわす技術、議論のモデレーターを務める記者ブロガーの育成など、いろいろなやり方があると思う。そうした試行錯誤をへてLong Tailをサイトの中に取り組むノウハウを確立するのだと思う。
このノウハウを確立するための果敢な挑戦をこれからも継続していただきたい。そしてどこよりも早くこのノウハウを確立したのであれば、全国的な言論空間の確立に向けて進んでいただきたい。今はまだニュースサイトのデファクトスタンダードは確立していない。最大の言論空間を備えたニュースサイトを確立したところが、デファクトになるのだとわたしは思う。
インターネットには地理的制約はない。地方紙はネット上でも地方紙であり続ける必要はない。
この時期にブログサイトを構築できるような企業なら、Long Tailの取り込みにも必ず成功すると思う。ぜひがんばっていただきたいと思います。
by tsuruaki_yukawa
| 2005-02-02 16:24
| マスコミのブログ採用例