2005年 10月 03日
つながりが可能にする「次」の10年 |
▼つながりが可能にする「次」の10年
ネット上の人と人とのつながりは現実社会を模倣したものが基本になる。だがネットならではの人のつながりもある。物理的に離れていて恐らくネット以外では会うことがなかったであろう人とのつながり、何千人、何万人という規模の人たちのつながりなどはネットならではのものだろう。
わたしはこうしたネットならではの人のつながりが、今後10年間の社会、経済に大きな影響を与えるのではないかと考えている。
その兆しは既に見えている。ソフトウェアプログラマーは、最も早くネット利用を始めたほうの人たち。そのソフトウェアプログラマーの間で、つながりが可能にした新しいプログラミングが始まっている。
リナックスというソフトがある。このソフトは基本的に無料。なのに常に改良され続けている。世界中のプログラマーがボランティアで寄ってたかって改良し続けているからだ。そして難攻不落と思われたマイクロソフトの人気ソフト「ウィンドウズ」の牙城を、リナックスが切り崩し始めている。金儲けに関係なくいいソフトを開発したいというプログラマーたちの気持ちと、インターネットという「つながりのメディア」があって、リナックスというソフトが誕生したのだ。
ゲームの世界では、多くの人が人がプレーヤーとして同時に参加するネットワークゲームが人気を集めている。プログラムの一部を公開することで、プレーヤー自らがゲームに新しい機能や仕組みを追加することもできるようになっているようだ。
一般的なネットユーザーの「知」も集結され始めた。「はてなブックマーク」は、ネット上で見つけたおもしろいページのアドレスを、「はてな」というサイト上に記録しておくサービス。会社のパソコンでも自宅のパソコンでも、「はてな」にアクセスすることでお気に入りのページを再び見ることができる。
ユニークなのは、多くの人が自分のお気に入りページのリストを公開していること。自分と同じようなページをブックマークしている人を見つけることによって、自分の趣味趣向に合ったページを次々と見つけることができる。他人が自分の情報収集エージェントの役割を果たしてくれるわけだ。
検索ソフトの性能も、万人の「知」が集結することによって向上している。過去に入力されたキーワードのデータベースが拡充されることによって、間違ったスペルでキーワードを入力した場合に、可能性のあるスペルのキーワードが参考表示される。検索結果のリストの中でもアクセスの高いページはどれかといったデータベースが拡充されることによって、より多くの人にとって重要度の高いページから先に表示されるようになってきている。
つながりのメディアによって可能になった「知」の集結は、ジャーナリズムにも影響を与えずにはいられない。つながりのメディアによって、ジャーナリズムは今、市民参加型になろうとしている。
参考:FIFTH EDITION「繋がるメディアとしての「はてなブックマーク」に望むこと」
http://blogpal.seesaa.net/article/7442458.html
著者注:間違いの指摘やご意見をいただければ幸いです。参考「本を書きます」
このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
ネット上の人と人とのつながりは現実社会を模倣したものが基本になる。だがネットならではの人のつながりもある。物理的に離れていて恐らくネット以外では会うことがなかったであろう人とのつながり、何千人、何万人という規模の人たちのつながりなどはネットならではのものだろう。
わたしはこうしたネットならではの人のつながりが、今後10年間の社会、経済に大きな影響を与えるのではないかと考えている。
その兆しは既に見えている。ソフトウェアプログラマーは、最も早くネット利用を始めたほうの人たち。そのソフトウェアプログラマーの間で、つながりが可能にした新しいプログラミングが始まっている。
リナックスというソフトがある。このソフトは基本的に無料。なのに常に改良され続けている。世界中のプログラマーがボランティアで寄ってたかって改良し続けているからだ。そして難攻不落と思われたマイクロソフトの人気ソフト「ウィンドウズ」の牙城を、リナックスが切り崩し始めている。金儲けに関係なくいいソフトを開発したいというプログラマーたちの気持ちと、インターネットという「つながりのメディア」があって、リナックスというソフトが誕生したのだ。
ゲームの世界では、多くの人が人がプレーヤーとして同時に参加するネットワークゲームが人気を集めている。プログラムの一部を公開することで、プレーヤー自らがゲームに新しい機能や仕組みを追加することもできるようになっているようだ。
一般的なネットユーザーの「知」も集結され始めた。「はてなブックマーク」は、ネット上で見つけたおもしろいページのアドレスを、「はてな」というサイト上に記録しておくサービス。会社のパソコンでも自宅のパソコンでも、「はてな」にアクセスすることでお気に入りのページを再び見ることができる。
ユニークなのは、多くの人が自分のお気に入りページのリストを公開していること。自分と同じようなページをブックマークしている人を見つけることによって、自分の趣味趣向に合ったページを次々と見つけることができる。他人が自分の情報収集エージェントの役割を果たしてくれるわけだ。
検索ソフトの性能も、万人の「知」が集結することによって向上している。過去に入力されたキーワードのデータベースが拡充されることによって、間違ったスペルでキーワードを入力した場合に、可能性のあるスペルのキーワードが参考表示される。検索結果のリストの中でもアクセスの高いページはどれかといったデータベースが拡充されることによって、より多くの人にとって重要度の高いページから先に表示されるようになってきている。
つながりのメディアによって可能になった「知」の集結は、ジャーナリズムにも影響を与えずにはいられない。つながりのメディアによって、ジャーナリズムは今、市民参加型になろうとしている。
参考:FIFTH EDITION「繋がるメディアとしての「はてなブックマーク」に望むこと」
http://blogpal.seesaa.net/article/7442458.html
著者注:間違いの指摘やご意見をいただければ幸いです。参考「本を書きます」
このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
by tsuruaki_yukawa
| 2005-10-03 17:43
| 本の原稿