2004年 10月 13日
ライブドア堀江社長が予測するマスコミとブログの今後 |
電通総研の広報誌「Communication Inquiries」(PDFファイル)の2004年10月号にライブドアの堀江貴文社長のインタビュー記事が掲載されている。noglogの野口祥吾さんからトラックバックで教えていただいた。野口さん、ありがとうございました。
その中からマスコミとブログに関する同社長の意見を幾つかピックアップしてみたい。
まず同社長は、ブログの情報のリアルタイム性に注目している。グーグルなどの検索エンジンで検索しても、現在進行形の情報を収集するのは難しい。ところがブログを検索できるライブドアの「未来検索」サービスを使うと、リアルタイム情報が収集できる。堀江社長は、台風を例に挙げてブログのリアルタイムメディアとしてのメリットを指摘している。
ブログがリアルタイムメディアだということだが、それではマスメディアとブログの関係は今後どうなるのだろう。堀江社長は次のように語っている。
この部分は同感。既存報道機関の今後の進路としては、最大公約数的なニュースを扱う社と、ニッチ情報を扱う社の2つに分かれていくと思う。もちろん1つの社が、最大公約数メディアと、複数のニッチメディアを運営してもいいと思う。そしてニッチメディアには、双方向性、オンデマンド性などの機能が不可欠になると思う。
野口さんも指摘されているが、これからは検索ではなくコミュニティーの時代になるという堀江社長の考え方も面白い。
確かにわたし自身、検索という行為をする頻度が下がってきているような気がする。自分と同じような情報ニーズを持つブロガーたちとの横のつながりができ、欲しい情報のほとんどはそうしたブロガーたちのブログで入手できるようになった。また自分のブログにもコメントやトラックバックで情報が寄せられることが多くなっている。検索で得られる情報の量よりも、横のつながりで得られる情報の量のほうが増えてきているのだ。
今は検索という行為に合わせて広告を表示する「検索連動型広告」が脚光を浴びているが、今後は「情報の横のつながり」を利用した広告やマーケティングが増えてくるのではなかろうか。米国では、ミュージシャンが新譜の音楽ファイルをブログやソーシャルネットワーキングのユーザーに提供し、情報の横のつながりを利用して宣伝するという手法も既に始まっている。広告、宣伝だけではない。ブログやソーシャルネットワーキングなどのコミュニケーションツールを利用して、いろいろなビジネス展開が可能かもしれない。堀江社長は次のように語っている。
その中からマスコミとブログに関する同社長の意見を幾つかピックアップしてみたい。
まず同社長は、ブログの情報のリアルタイム性に注目している。グーグルなどの検索エンジンで検索しても、現在進行形の情報を収集するのは難しい。ところがブログを検索できるライブドアの「未来検索」サービスを使うと、リアルタイム情報が収集できる。堀江社長は、台風を例に挙げてブログのリアルタイムメディアとしてのメリットを指摘している。
いま、起こっていることが検索できるんです。例えば、ブログの検索ランキングの1位が、例えば台風16号だったりするんですよね。(中略)例えば、Googleで検索しても、台風16号なんてネタはリアルタイムには出てこないんですよ。でも、ブログ検索をすると台風のリアルタイムレポートみたいなのを
載せてるユーザーがドッと出てくるわけですよ。台風がいまどんな状況になっているかが、すぐわかるわけですよ。これは、すごく新しい。
ブログがリアルタイムメディアだということだが、それではマスメディアとブログの関係は今後どうなるのだろう。堀江社長は次のように語っている。
相互補完関係にあると思いますよ。ネットは基本的には、ニッチメディアの集合体なんで、マスの方は、最大公約数的な情報を発信するように、どんどん特化していくと思います。あと問題なのはタイムシフトの問題があるだけでね。ネットは、インタラクティブでオンデマンドでニッチなものを組み合わせるということです。
この部分は同感。既存報道機関の今後の進路としては、最大公約数的なニュースを扱う社と、ニッチ情報を扱う社の2つに分かれていくと思う。もちろん1つの社が、最大公約数メディアと、複数のニッチメディアを運営してもいいと思う。そしてニッチメディアには、双方向性、オンデマンド性などの機能が不可欠になると思う。
野口さんも指摘されているが、これからは検索ではなくコミュニティーの時代になるという堀江社長の考え方も面白い。
今大きなパラダイムシフトがブログによって、起こっているんです。ポータルサイトは、これからは検索主導型からコミュニティ主導型になる。(中略)ユーザーがインターネットに慣れてきて、ネット上で友達のブログを登録したりとか、興味ある人のブログとウェブサイトを登録しはじめて、いったんそのコミュニティを作ってしまえば、それが中心のライフスタイルになると思うんです。例えば、気になるニュースに対して、俺はこう思うとか……。ブログを書き始める。実はブログのRSSの裏にはFOAFリンクというのがあって、裏でつながっているんですね。トラックバックとかタイプキーとか使ってコメントをした時点で、お互いの繋がりの構造というのが裏で出来ているんです。きっかけは、ニュースの検索だったりするんだけれど、知らないうちに同じ嗜好性を持った人同士がつながる。ニュース自体もRSSですでに発信されてますから。本当の意味でのマイポータルがRSSを中心にそこに出来てきているようなかたちになっている。自分にカスタマイズされた情報源になる。(中略)今までは、何かを探すためにインターネットを使っていたが、これからは違う。これからは、本来のインターネットのよい点、コアであるコミュニケーションの部分にどんどん到達していく。コミュニケーションのパラダイムシフトを起こしていくことに使われるのではないか。もちろん、探すという行為は、無くなるわけではないんですが、「探す」よりも「繋がる」ことのほうに変わっていく。
確かにわたし自身、検索という行為をする頻度が下がってきているような気がする。自分と同じような情報ニーズを持つブロガーたちとの横のつながりができ、欲しい情報のほとんどはそうしたブロガーたちのブログで入手できるようになった。また自分のブログにもコメントやトラックバックで情報が寄せられることが多くなっている。検索で得られる情報の量よりも、横のつながりで得られる情報の量のほうが増えてきているのだ。
今は検索という行為に合わせて広告を表示する「検索連動型広告」が脚光を浴びているが、今後は「情報の横のつながり」を利用した広告やマーケティングが増えてくるのではなかろうか。米国では、ミュージシャンが新譜の音楽ファイルをブログやソーシャルネットワーキングのユーザーに提供し、情報の横のつながりを利用して宣伝するという手法も既に始まっている。広告、宣伝だけではない。ブログやソーシャルネットワーキングなどのコミュニケーションツールを利用して、いろいろなビジネス展開が可能かもしれない。堀江社長は次のように語っている。
日常がエンターテイメントなんです。下手なテレビ番組を見ているよりも人のブログを見ていたほうが面白いんですよ。(中略)面白いことは広がるから、そこに必ずトランザクションは派生するし、たくさんの人がいるところに市場は生まれるわけですから。ブログを通してたくさんの人が取引を始めるわけですよ。トランザクションが増えれば増えるほど、そこに対して広く薄く課金をしていけばいいんですよ。ビジネスは、あとで考えればいいんです。
by tsuruaki_yukawa
| 2004-10-13 05:51
| 報道機関ライブドア