2005年 01月 12日
記者ブログを始める人、やめる人 |
最近、ブログを始める記者が増えている。北海道新聞の高田昌幸さんがブログ「札幌から ニュースの現場で考えること」を開設され、この「ネットは新聞を・・・」にトラックバックを送ってくださった。高田さんに関しては「ガ島通信」さんが「注目の記者ブログ」というエントリーで次のように評している。
こうした権力に立ち向かう調査報道で大きな業績を残したジャーナリストに対して、わたしは最大級の敬意を抱く。高田さん、トラックバックありがとうございました。高田さんのような立派な記者からトラックバックをいただけて光栄に思います。
高田さんのほかにも知り合いの記者が次々とブログを立ち上げている。偶然かどうかよく分からないが、わたしが以前から尊敬したり一目を置く記者に限ってブログを立ち上げていたりする。
ここで紹介したいところだが、多くの方が「しばらくはそっとしておいて」とおっしゃる。ということで今回は紹介しないが、どのブログも内容的に優れているので、いずれこの場でも取り上げたいと思う。
ブログを始める記者が増えている中で、ブログをやめる記者もいる。
正月にかけてある記者ブロガーがほかのブロガーと人命救助や自己責任の問題に関して議論になったすえ、事実上孤立化。最後には2ちゃんねるでの「祭り」に発展するという「事件」があった。この記者ブロガーは匿名で言論活動をしていたのだが、2ちゃんねらーたちはブログの過去記事やほかのブログへのコメントなどを徹底的に調べ上げ、この記者の実名と職場、住所などを次々と突き止めていった。身の危険を感じたこの記者は1月3日のエントり-を最後に、過去記事やコメントを削除しネット上の言論活動を停止してしまった。詳しい経緯は「カレーとご飯の神隠し」などに記されている。
記者ブログを運営する上での難しさがここにある。これまで紙の媒体上で言論活動する場合は、世間一般とは異なる見解を示すほうが評価が高かったりする。独自の視点を主張することに意義があったりするわけだ。
しかしブログ同士の議論では、世間一般の考えと異なる主張を展開するには徹底的な理論武装とエネルギーが必要になる。そうでなければ、この記者ブロガーのように反論と感情の雪崩現象に押しつぶされてしまうことになる。理論武装とエネルギーが必要なのは一般ブロガーも同じだが、意見を言い放しでも問題の生じなかった環境に慣れきった記者は、特に注意する必要があるのではなかろうか。
「共同ブログ騒動」の際にも感じたことだが、われわれプロの言論人こそ議論の仕方を学び直さなければならないのかもしれない。
追記:コメント欄に時系列が間違っているという指摘を複数いただいています。申し訳ありませんでした。時系列の詳細は terutellさんのコメントなどをご参照ください。
北海道警察の裏金問題を追及してきた北海道新聞の高田昌幸さんがブログ「札幌から ニュースの現場で考えること」を開設しました。道新は一連の記事で新聞協会賞、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、菊池寛賞を受賞。高田さんは、報道本部次長として取材班を率いてきた実質の責任者。フリーになっていないジャーナリストとしては今最も注目されている存在でしょう。
こうした権力に立ち向かう調査報道で大きな業績を残したジャーナリストに対して、わたしは最大級の敬意を抱く。高田さん、トラックバックありがとうございました。高田さんのような立派な記者からトラックバックをいただけて光栄に思います。
高田さんのほかにも知り合いの記者が次々とブログを立ち上げている。偶然かどうかよく分からないが、わたしが以前から尊敬したり一目を置く記者に限ってブログを立ち上げていたりする。
ここで紹介したいところだが、多くの方が「しばらくはそっとしておいて」とおっしゃる。ということで今回は紹介しないが、どのブログも内容的に優れているので、いずれこの場でも取り上げたいと思う。
ブログを始める記者が増えている中で、ブログをやめる記者もいる。
正月にかけてある記者ブロガーがほかのブロガーと人命救助や自己責任の問題に関して議論になったすえ、事実上孤立化。最後には2ちゃんねるでの「祭り」に発展するという「事件」があった。この記者ブロガーは匿名で言論活動をしていたのだが、2ちゃんねらーたちはブログの過去記事やほかのブログへのコメントなどを徹底的に調べ上げ、この記者の実名と職場、住所などを次々と突き止めていった。身の危険を感じたこの記者は1月3日のエントり-を最後に、過去記事やコメントを削除しネット上の言論活動を停止してしまった。詳しい経緯は「カレーとご飯の神隠し」などに記されている。
記者ブログを運営する上での難しさがここにある。これまで紙の媒体上で言論活動する場合は、世間一般とは異なる見解を示すほうが評価が高かったりする。独自の視点を主張することに意義があったりするわけだ。
しかしブログ同士の議論では、世間一般の考えと異なる主張を展開するには徹底的な理論武装とエネルギーが必要になる。そうでなければ、この記者ブロガーのように反論と感情の雪崩現象に押しつぶされてしまうことになる。理論武装とエネルギーが必要なのは一般ブロガーも同じだが、意見を言い放しでも問題の生じなかった環境に慣れきった記者は、特に注意する必要があるのではなかろうか。
「共同ブログ騒動」の際にも感じたことだが、われわれプロの言論人こそ議論の仕方を学び直さなければならないのかもしれない。
追記:コメント欄に時系列が間違っているという指摘を複数いただいています。申し訳ありませんでした。時系列の詳細は terutellさんのコメントなどをご参照ください。
by tsuruaki_yukawa
| 2005-01-12 08:08
| マスコミのブログ採用例