2005年 03月 11日
参加型に対する疑問:悪意の情報の流布 |
先日のニュース23でホリエモンの考える新しいジャーナリズムの形に対して筑紫哲也さんが質問していた。その質問の幾つかは、実はわたし自身もよく受けるものだ。なかなか難しい質問も多く、自分自身の中でも十分納得できる回答が用意できているとは思えない。1つずつ取り上げて考え直してみたい。
まず最初は悪意の情報の流布について。大衆を間違った方向に扇動するために悪意の情報が流されるのを防ぐことができるのか、という疑問だ。
ホリエモンは筑紫さんの質問に対して、確か「怪しい情報は早い時点でネットで淘汰されますよ」とか答えていた。筑紫さんは、どうも納得できないような様子だった。
これは実際にネット上の議論に参加したことがない人には分かりづらい感覚なのかもしれない。2ちゃんねるの議論などでも怪しい情報には「根拠を示せ」という反論が必ずといっていいほど出てくる。ネットをあまり使わない人には意外に聞こえるかもしれないが、時間が経過するとともに議論は結構まともなほうに進むとわたしは考えている。
一方で、感情的な「祭り」状態とか、サイバーキャスケードとか呼ばれるような状態というものも確かに存在する。でもそれは感情的なうねりであり、冷静な議論とは別のように思う。しかし自分でもここのところちょっと自信がない。
ただ世論を操作したい権力者にとって、今のジャーナリズムのほうが都合がいいのではなかろうか。今は情報の門番という役割が少数の既存メディアによって独占されている。これからは情報の門番がネット上に無数に存在するようになる。情報操作を目指すものにとっては、情報の門番が少ないほうがやりやすいだろう。
また参加型になれば悪意の情報が流れるようになると考える人たちは、ネット上の無数の「情報の門番」に情報の真偽を見極める力がないと考えているのではなかろうか。朝日新聞OBの本郷美則さんの言葉を借りれば「それを提供できるのは、該博な知識と見識に加え、公正・公益のために真実に迫る無私の勇気を兼ね備え、厳しい研鑚を積んだジャーナリズムのプロである」ということなのだろう。
しかし、あったりまえ過ぎて書くのもいやになる当たり前のことを書けば、ジャーナリズムのプロの平均的な能力をはるかに上回る人は世の中に無数といる。そうした人たちがこれから情報の門番として次々と登場してくるのだ。悪意の情報はこれまで以上に流れにくくなるのではなかろうか。
追記:ネット利用の経験をつむにつれ、情報の真偽を見分ける力、メディアリテラシーというものが向上する、という点も追加したいと思います。
まず最初は悪意の情報の流布について。大衆を間違った方向に扇動するために悪意の情報が流されるのを防ぐことができるのか、という疑問だ。
ホリエモンは筑紫さんの質問に対して、確か「怪しい情報は早い時点でネットで淘汰されますよ」とか答えていた。筑紫さんは、どうも納得できないような様子だった。
これは実際にネット上の議論に参加したことがない人には分かりづらい感覚なのかもしれない。2ちゃんねるの議論などでも怪しい情報には「根拠を示せ」という反論が必ずといっていいほど出てくる。ネットをあまり使わない人には意外に聞こえるかもしれないが、時間が経過するとともに議論は結構まともなほうに進むとわたしは考えている。
一方で、感情的な「祭り」状態とか、サイバーキャスケードとか呼ばれるような状態というものも確かに存在する。でもそれは感情的なうねりであり、冷静な議論とは別のように思う。しかし自分でもここのところちょっと自信がない。
ただ世論を操作したい権力者にとって、今のジャーナリズムのほうが都合がいいのではなかろうか。今は情報の門番という役割が少数の既存メディアによって独占されている。これからは情報の門番がネット上に無数に存在するようになる。情報操作を目指すものにとっては、情報の門番が少ないほうがやりやすいだろう。
また参加型になれば悪意の情報が流れるようになると考える人たちは、ネット上の無数の「情報の門番」に情報の真偽を見極める力がないと考えているのではなかろうか。朝日新聞OBの本郷美則さんの言葉を借りれば「それを提供できるのは、該博な知識と見識に加え、公正・公益のために真実に迫る無私の勇気を兼ね備え、厳しい研鑚を積んだジャーナリズムのプロである」ということなのだろう。
しかし、あったりまえ過ぎて書くのもいやになる当たり前のことを書けば、ジャーナリズムのプロの平均的な能力をはるかに上回る人は世の中に無数といる。そうした人たちがこれから情報の門番として次々と登場してくるのだ。悪意の情報はこれまで以上に流れにくくなるのではなかろうか。
追記:ネット利用の経験をつむにつれ、情報の真偽を見分ける力、メディアリテラシーというものが向上する、という点も追加したいと思います。
by tsuruaki_yukawa
| 2005-03-11 00:05