御手洗さんとブレスト

　ＣＮＥＴの元社長の御手洗大祐さんと特に目的もなくブレスト。ネットメディアの近未来像のビジネス面、つまりこれからどうすればネットメディアで金を儲けることができるかを話させれば、この人の右に出る人はいないんじゃないか、と思う。でも最近はお互いに考えるところが似てきて、ちょっと刺激が足らないところも。
　でもやはり得ることは多い。自分でぼんやりと考えていることを御手洗さんに投げ、賛同されると「やっぱりそうなんだ」と変に納得してしまう。
　そういった納得ポイントを幾つかメモ。
・ユーザーはトップページからではなく、ブログのエントリーからサイトに入ってくるケースが増えている。
・それでも広告主のトップページ信仰はいまだに存在するので、トップページのページビューを高める努力も必要。いずれ広告主も、トップページに広告張っても効果が薄いことに気づき始めるだろうが。
・ブログエントリーに比べ、ニュースのアクセスはそう高くない。読者を呼べるのは、ストレートニュースではなく、主義主張が明確で読み応えのあるブログエントリー。
・ただブログはコストが高い（読者を呼べるブロガーへの原稿料が高くつく）ので、ブログで呼んだ読者をサイト内のニュースに流す仕組み、導線が必要。もっと詳しく知りたいと要求に答えることのできるように、サイト内の関連情報を行ったり来たりできる導線を多く敷くことが大事。
・コンテンツの質を高めるのも大事だが、進化する読者の情報収集手段にいち早く対応することも大事。ＲＳＳリーダーの利用者増が見込めるのだから、ＲＳＳ配信するとか。
・つまりは最新技術を先取りする必要があるということ。同じようなコンテンツのサイトなら、読者は使いやすいほう、便利なほうにアクセスするのだから。
・そのためには、技術者の体制を整える必要がある。ビジネスセンスがあり戦略を決めることのできる技術者をヘッドハントし、その技術者のための社内のキャリアパス（どのようなポストを用意し、偉くなってもらうか）を用意しておく。それ以外の技術者は、すべて派遣で。
・今後何十年かのスパンで見たネットメディアビジネスは、ポータルなどネット上でメディア力のあるところがますます強くなる傾向にある。ニュースなどコンテンツ提供者の提供するコンテンツは買い叩かれる。コンテンツ提供者同士の過当競争が続き、市場から撤退するところも。競争が一段落し、プレーヤーが少なくなった時点で、ポータルはコンテンツ制作部門を創設するだろう。つまり記者を抱え、報道部門を持つようになる。

　御手洗さん、ありがとうございました。