「みんなブログを持つようになる。そのころはブログとは呼ばないかもしれないけど」

　カナダの写真共有サイトの「Flickr（フリッカー）」のことを調べている。ケータイ写真もアップロードできるし、だれと共有できるか設定できる、写真を形容するキーワード（タグ）をつけることにより検索・共有しやすくできる、ブログにも写真を表示できる、などなど、便利な機能が満載のようだ。
　わたし自身、デジカメで撮った写真をPCの中に保存することに対して一抹の不安を感じている。PCが壊れたらどうしよう、お金には換えがたい貴重な思い出がつまった写真が多いからだ。といってもCD－ROMに書き込むのは面倒だし。できれば写真をキープしてくれるサイトにアップロードしたいと思っている。料金が安ければの話だが・・・。
　まあ料金は下がるだろう。無料でもかなりの容量を利用できるようになるのではないだろうか。ストレージコストは低下する一方だし、そうしたサイトが広告で運営可能になる日がくるような気がする。
　そうなればほとんどの人がウェブに写真をキープし、友人や家族、親戚に写真を公開するようになるのではないだろうか。そのほうが安いし便利だ。遠く離れたおじいちゃん、おばあちゃんに孫の写真を大量に、すぐに見せることができる。プレイリスト機能やスライドショー機能もついていればなおさら便利。無線LAN搭載のケータイで見れるようにも、いずれなるだろう。
　プライバシーに問題のない写真なら、一般公開する人も多いかもしれない。写真の下には掲示板があり、そこで意見交換が行われる。写真を中心としたブログのようなものだ。日記をつけない人はいるが、写真を撮らない人はほとんどいない。写真を中心とした個人の情報発信がネット上で盛り上がるようになるのではなかろうか。
　フリッカーの創業者もそう考えているのかもしれない。Vancouver Courierの取材に対し創業者の一人Caterina Fakeさんは、次のように語っている。

Photoblogging sites like Flickr and Textamerica are just the beginning. "In the future, everyone will have a blog but they won't call it a blog anymore," Fake says.写真ブログサイトは始まったばかり。「将来はすべての人がブログを持つようになる。しかしそうなればブログとは呼ばれないかもしれないけれど」

　英国の同時多発テロの際にはフリッカーに何百という現場写真が一般ユーザーによってアップロードされた。関連写真をスライドショー的に自動で次々表示するページも立ち上がった。ちょっとした写真ニュースサイトに早変わりしたわけだ。個人の情報発信は、ジャーナリズムに大きな影響を与え始めている。