メディア業界全体として広告依存から既に舵を切っていた

　尊敬する人は多い（特にブログを始めてから自分より若い人で尊敬する人が増えた）のだが、キャリア的に目標している人物といえば、Tim O'Reilly先生（この際、先生と呼んでしまえ）。米国有数のコンピューター関連の出版社の創業者だ。O'Reilly先生ほど先見の明があれば、どれだけ人生楽しいだろうかと思ってしまう。
　さてO'Reilly大先生（この際、大先生にしてしまえ）の最近のブログの書き込みで面白いものがあった。インターネット広告に関するエントリーで、Interactive Advertising Bureau (IAB) and PricewaterhouseCoopers (PWC).から発行された Ten Years of Online Advertising(PDF)に関し論評している。２００４年の米オンライン広告市場が２０００年のネットバブル全盛期のそれを超えただとか幾つか興味深かい点があったが、個人的に最も面白かったのが次の部分。

In its Communications Industry Forecast Report in 2004, merchant bank Veronis Suhler Stevenson concluded that for the first time in history the larger share of media revenue came not from advertising sponsorship but directly from consumer spending, such as satellite and cable TV subscriptions, home DVD and videos and Internet access.

　Veronis Suhler Stevensonという銀行の２００４年の調査によると、メディア業界の収益源として広告外収入が広告収入を初めて上回ったという。主な広告外収入は、衛星放送、CATVなどの利用料、DVDやビデオの販売、インターネット接続料など。
　HDD搭載DVDレコーダーによるCM飛ばしが問題になっているが、業界としては広告以外の収益に向けて既に舵を切っているということなのだろう。もちろん個別企業の中にはCM市場の縮小とともに業績を悪化させるところもあるだろうが、業界全体としては時代の変化に対応していくということなのだろう。