2004年 05月 18日
大衆に迎合? |
もう10年以上も前になるが、米国に住んでいたころに興味深いニュースをテレビで見たことがある。「60ミニッツ」という著名なニュース番組の中の1つのニュースだ。60ミニッツは、「ニュース雑誌のテレビ版」と銘打つだけあって、深みのある報道を行う。
問題のニュースは、ある田舎町の出来事だった。もうずいぶん前のことなので詳細は覚えていないが、その町にはその町のためだけのローカル紙というものがなかった。そこに大都市での経験豊かな新聞記者の一家が移り住んできて、新聞社を始めた。取材、執筆、編集、印刷までを、家族中心で行う小さな新聞社だ。
その新聞社が、保安官かだれかに関するスキャンダルを手にする。どういうスキャンダルだったかは忘れたが、この一家はジャーナリズム魂に燃えて連載記事を掲載するなど、反保安官の一大運動を繰り広げる。
ところがこ読者は乗ってこなかった。保安官は町の人気者だったのだ。そんな小さなスキャンダルで、保安官に対する信頼が吹っ飛ぶわけもなかった。新聞の反保安官運動に対する反対運動が住民の間で巻き起こることになる。発行部数も広告出稿も激減した。そうした圧力に屈してなるものかと新聞社はがんばった。だってそれが大学の新聞学科で学んだことだったし、大都市の新聞社で実践してきたことだったからだ・・・。
このローカル新聞社の行為は、大衆に迎合しないジャーナリズムとして賞賛されるべきものなのだろうか。それとも読者を無視した独善にしか過ぎないのだろうか。
わたし自身、答えを出せずにいる。ただ、自分はジャーナリストであると大上段に構えた誇り高き新聞記者という姿には辟易している。テレビで筑紫哲也氏が「ジャーナリズムは・・・」と話すたびに、うさん臭さを感じるのはわたしだけだろうか。
問題のニュースは、ある田舎町の出来事だった。もうずいぶん前のことなので詳細は覚えていないが、その町にはその町のためだけのローカル紙というものがなかった。そこに大都市での経験豊かな新聞記者の一家が移り住んできて、新聞社を始めた。取材、執筆、編集、印刷までを、家族中心で行う小さな新聞社だ。
その新聞社が、保安官かだれかに関するスキャンダルを手にする。どういうスキャンダルだったかは忘れたが、この一家はジャーナリズム魂に燃えて連載記事を掲載するなど、反保安官の一大運動を繰り広げる。
ところがこ読者は乗ってこなかった。保安官は町の人気者だったのだ。そんな小さなスキャンダルで、保安官に対する信頼が吹っ飛ぶわけもなかった。新聞の反保安官運動に対する反対運動が住民の間で巻き起こることになる。発行部数も広告出稿も激減した。そうした圧力に屈してなるものかと新聞社はがんばった。だってそれが大学の新聞学科で学んだことだったし、大都市の新聞社で実践してきたことだったからだ・・・。
このローカル新聞社の行為は、大衆に迎合しないジャーナリズムとして賞賛されるべきものなのだろうか。それとも読者を無視した独善にしか過ぎないのだろうか。
わたし自身、答えを出せずにいる。ただ、自分はジャーナリストであると大上段に構えた誇り高き新聞記者という姿には辟易している。テレビで筑紫哲也氏が「ジャーナリズムは・・・」と話すたびに、うさん臭さを感じるのはわたしだけだろうか。
by tsuruaki_yukawa
| 2004-05-18 22:24