2006年 01月 16日
大手メディアの一般ニュースは激戦区に |
▼紙とネットの共存共栄
新聞の場合、経営者が今後力を入れそうなもう一つの手は、紙とネットの共存、共栄だろう。紙の読者を新聞社のサイトへ誘導したり、サイトの読者に紙の新聞の購読を勧めるような企画が増えてくるものと思う。紙面で伝えきれなかった情報をサイト上で展開したり、サイト上の議論のまとめを紙面に掲載する、といったような企画だ。
紙の部数減に歯止めをかけたいというサプライサイドの都合を原動力にした動きだが、読者の利便性を高めることができれば、ある程度の成果は期待できる。ただ紙の新聞をまったく取る気のない若い層への効果は限定的かもしれない。
▼ローカルメディアはブランド力を維持できるか
さて既存メディア企業がネット事業で成功するには、情報ハブを目指すのか、コンテンツ提供者を目指すのか、まず自分の役割を明確に認識することが重要だろう。情報ハブを目指すのなら、どの分野の情報ハブを目指すのかを考えなければならない。
地方紙は、比較的簡単に今後の役割を見つけることができる。今まで同様に、その地域の情報ハブを目指せばいいからだ。
情報が集まってくるようにするには、地域ポータルサイトよりも地域コミュニティーサイトを目指すのがいいだろう。ニュースを中心とした情報を見せるというサイトではなく、人々が集い情報を交換しあうようなサイトがいいというおとだ。
コミュニティーサイトとしては、ソーシャルネットワーク(SNS)などと呼ばれる仕組みが人気を集めているが、こうした仕組みも進化を続けるであろうから、目的にそった新しい仕組みを次々といち早く採用し続けることも大事だろう。
地方紙が競合するのは、ローカルテレビ局や、ポータルなどのネット企業になる。電力会社など公共事業会社なども地域コミュニティーサイト事業に乗り出してくるかもしれない。事実、関西では関西電力の子会社が「ふるるkansai」というコミュニティーサイトを運営し、関西の主婦層を中心に人気を集めている。
地方紙や地方テレビ局は、その地域の人とのつながりや、ブランド力という強みがある。大停電の際に新潟日報に情報が集まったのも、新潟日報のブランド力があってのことだろう。停電でどこも情報がないとき、「新潟日報のサイトにいけば、何か情報があるかもしれない」と人々が思ったのは、長年の地道な取材活動で新潟日報に寄せられた信頼が築き上げたブランド力があってのことだろう。
ただわたしは、ネット事業に出遅れて、新規企業にネット上のブランド力を独占されてしまう例を、これまで何度も見てきた。
書籍販売の有力ブランドといえば、紀ノ国屋書店など幾つか挙げられるが、ネット上ではアマゾン・ドット・コムがナンバーワン・ブランドだろう。旅行に関する口コミ情報の最大のブランドといえば、「地球の歩き方」だった。ところがネット上では、カカクコムの「4トラベル」の躍進を許してしまっている。
今はまだ地域コミュニティーサイトの覇権争いが本格化していないが、いったんどこかの企業がネット上でのブランドを確立してしまえば、それを追い抜くことは容易ではない。たとえ長年培ったブランド力を持つ地方紙やローカルテレビ局でもだ。
ポータルサイトの地方ローカル情報拡充の話が、よく耳に入ってくるようになった。覇権争いの勝負のときがあと2、3年以内にくるかもしれない。
▼大手メディアの一般ニュースは激戦区に
より激戦が予想されるのは、全国紙、キー局などが扱う一版ニュースの市場だ。やはり情報市場や情報ハブの構築が大きなテーマとなる。しかし同じような情報を取り扱う情報ハブは、2つと要らない。というより、1つしか生き残れないだろう。情報ハブが複数存在すれば、集まってくる情報や広告が分散され、共倒れになってしまうからだ。
そのオンリーワンの地位を狙うであろう社は、全国紙、キー局を含め10社以上存在する。今はまだネット事業に本腰を入れていないが、ネット事業に軸足を移す中で競争が激化することは容易に想像がつく。
しかし勝負の世界は非情なもの。1社以外は敗退する運命にある。
現実的には、より狭い分野の情報ハブになるという選択肢が1つある。イメージ的には、専門紙、業界紙のような専門分野の市場ハブを幾つか運営するというものだ。
もう1つの選択肢は、報道機関の看板だけはかけ続けるが、報道以外の事業を幾つか構築し、それらを収益の柱とするということだろう。
著者注:本として出版するための原稿ですが、未完成なものです。間違いの指摘やご意見をいただければ幸いです。「過去エントリをそのまま記録として残すべきだ」「細かな修正を加えるたびにPINGが飛び、RSSリーダーにほぼ同じ原稿が表示されるので困る」などという意見をいただきましたので、ご意見、ご指摘をいただいても、エントリ自体を修正しないことにしています。ですが、建設的なご指摘、ご意見は、最終原稿に必ず反映させるつもりです。繰り返しになりますが、本エントリは未完成原稿です。引用を希望される場合は、脚注にある原典に当たられることをお勧めします。
参考「本を書きます」

このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
新聞の場合、経営者が今後力を入れそうなもう一つの手は、紙とネットの共存、共栄だろう。紙の読者を新聞社のサイトへ誘導したり、サイトの読者に紙の新聞の購読を勧めるような企画が増えてくるものと思う。紙面で伝えきれなかった情報をサイト上で展開したり、サイト上の議論のまとめを紙面に掲載する、といったような企画だ。
紙の部数減に歯止めをかけたいというサプライサイドの都合を原動力にした動きだが、読者の利便性を高めることができれば、ある程度の成果は期待できる。ただ紙の新聞をまったく取る気のない若い層への効果は限定的かもしれない。
▼ローカルメディアはブランド力を維持できるか
さて既存メディア企業がネット事業で成功するには、情報ハブを目指すのか、コンテンツ提供者を目指すのか、まず自分の役割を明確に認識することが重要だろう。情報ハブを目指すのなら、どの分野の情報ハブを目指すのかを考えなければならない。
地方紙は、比較的簡単に今後の役割を見つけることができる。今まで同様に、その地域の情報ハブを目指せばいいからだ。
情報が集まってくるようにするには、地域ポータルサイトよりも地域コミュニティーサイトを目指すのがいいだろう。ニュースを中心とした情報を見せるというサイトではなく、人々が集い情報を交換しあうようなサイトがいいというおとだ。
コミュニティーサイトとしては、ソーシャルネットワーク(SNS)などと呼ばれる仕組みが人気を集めているが、こうした仕組みも進化を続けるであろうから、目的にそった新しい仕組みを次々といち早く採用し続けることも大事だろう。
地方紙が競合するのは、ローカルテレビ局や、ポータルなどのネット企業になる。電力会社など公共事業会社なども地域コミュニティーサイト事業に乗り出してくるかもしれない。事実、関西では関西電力の子会社が「ふるるkansai」というコミュニティーサイトを運営し、関西の主婦層を中心に人気を集めている。
地方紙や地方テレビ局は、その地域の人とのつながりや、ブランド力という強みがある。大停電の際に新潟日報に情報が集まったのも、新潟日報のブランド力があってのことだろう。停電でどこも情報がないとき、「新潟日報のサイトにいけば、何か情報があるかもしれない」と人々が思ったのは、長年の地道な取材活動で新潟日報に寄せられた信頼が築き上げたブランド力があってのことだろう。
ただわたしは、ネット事業に出遅れて、新規企業にネット上のブランド力を独占されてしまう例を、これまで何度も見てきた。
書籍販売の有力ブランドといえば、紀ノ国屋書店など幾つか挙げられるが、ネット上ではアマゾン・ドット・コムがナンバーワン・ブランドだろう。旅行に関する口コミ情報の最大のブランドといえば、「地球の歩き方」だった。ところがネット上では、カカクコムの「4トラベル」の躍進を許してしまっている。
今はまだ地域コミュニティーサイトの覇権争いが本格化していないが、いったんどこかの企業がネット上でのブランドを確立してしまえば、それを追い抜くことは容易ではない。たとえ長年培ったブランド力を持つ地方紙やローカルテレビ局でもだ。
ポータルサイトの地方ローカル情報拡充の話が、よく耳に入ってくるようになった。覇権争いの勝負のときがあと2、3年以内にくるかもしれない。
▼大手メディアの一般ニュースは激戦区に
より激戦が予想されるのは、全国紙、キー局などが扱う一版ニュースの市場だ。やはり情報市場や情報ハブの構築が大きなテーマとなる。しかし同じような情報を取り扱う情報ハブは、2つと要らない。というより、1つしか生き残れないだろう。情報ハブが複数存在すれば、集まってくる情報や広告が分散され、共倒れになってしまうからだ。
そのオンリーワンの地位を狙うであろう社は、全国紙、キー局を含め10社以上存在する。今はまだネット事業に本腰を入れていないが、ネット事業に軸足を移す中で競争が激化することは容易に想像がつく。
しかし勝負の世界は非情なもの。1社以外は敗退する運命にある。
現実的には、より狭い分野の情報ハブになるという選択肢が1つある。イメージ的には、専門紙、業界紙のような専門分野の市場ハブを幾つか運営するというものだ。
もう1つの選択肢は、報道機関の看板だけはかけ続けるが、報道以外の事業を幾つか構築し、それらを収益の柱とするということだろう。
著者注:本として出版するための原稿ですが、未完成なものです。間違いの指摘やご意見をいただければ幸いです。「過去エントリをそのまま記録として残すべきだ」「細かな修正を加えるたびにPINGが飛び、RSSリーダーにほぼ同じ原稿が表示されるので困る」などという意見をいただきましたので、ご意見、ご指摘をいただいても、エントリ自体を修正しないことにしています。ですが、建設的なご指摘、ご意見は、最終原稿に必ず反映させるつもりです。繰り返しになりますが、本エントリは未完成原稿です。引用を希望される場合は、脚注にある原典に当たられることをお勧めします。
参考「本を書きます」

このworkは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
by tsuruaki_yukawa
| 2006-01-16 18:21
| 本の原稿

