ニッチサイトとニッチ検索 |
ニッチサイト上では、でコンテンツ提供者の独自コンテンツも大事だが、ネット上に分散する関連コンテンツを効率よく集めてきて見せることも大事になってくるだろう。
効率のよい見せ方は、関連する情報を幾つかのグループに分ける「ディレクトリー」とキーワードで情報を見つけ出す「検索エンジン」の2つが考えられる。つまりニッチサイトは、ポータルの形状になる可能性が高いと思う。
ネット先進国の米国ではやはりこの方向に進んでいるもようで、調査会社Hitwiseによると米国にはニッチ検索を搭載したニッチサイトが1900も存在し、ネット上のアクセスのシェアの14%を占めているという。この統計結果を紹介する米SearchEngineWatchの記事(英文)によると、ネット利用に慣れてきて一般的なポータルでは満足できないユーザーが増えつつある結果だと分析している。米国のテレビ業界では一般大衆向けの大手テレビネットワーク3、4社に加え、専門のCATV局が無数に存在する。同様にネットの世界でも2、3の大手ポータルに加え、無数のニッチサイトが共存するようになるということらしい。
「FindLaw」はそうしたニッチサイトの1つ。法律関連のニッチサイトで、サイト上の情報の検索に加え、弁護士の検索、法律関連ニュースの検索、判例の検索ができる。
「Business.com」はビジネスに特化したニッチサイト。ディレクトリー、ビジネスニュース、就職情報を検索できる。
日本の専門紙のニュースサイトも、今後この方向に進んでいくべきなのだろう。その際に重要なのは、徹底したコスト削減だ。最新の情報技術を駆使して、どの程度コストを削減できるか。どの程度のコスト削減が達成すれば事業としてペイするのか、などといったことを考慮して参入時期を決めるべきだろう。
また検索エンジンも専門分野に特化させなければならないが、どのようにすれば低コストでニッチ検索エンジンを構築できるだろうか。例えばオープンソース・ソフトウエアの「ナッチ」を利用するという手もある。今後こうしたツールが次々登場してくるだろう。こうしたツールを利用してニッチサイト独自の判断基準を組み込むなどの微調整ができれば、大手ポータルよりも的確な情報を表示する検索エンジンを構築できるだろう。