マスコミ側の受け止め方 |
商業ジャーナリズム側の人間として、わたしは一般的な新聞関係者の考えていることはだいたい分かる。また実際に知り合いの新聞記者数人とこの問題に関して議論してみた。
その結果、次のような意見、感想が出てきた。
「やっぱり所属報道機関の名前を出してブログを持つのは、まずい。名前を出すなら、複数の人間のチェック体制を通ってからアップロードする形にしなければならない」
「無責任な発言が出ないように、コメントは受け付けるべきではない」
「なぜブログなんて、余計なことを始めたんだろう。本業に専念していればこんなことは起こらなかっただろうのに」
「ネットユーザーは社会の中でも特殊な層。かれらの意見は必ずしも、世論ではない」
「ネットのおかげで大衆が感情で流され、1つの『暴力』を形成するようになっている。これは民主主義にとって必ずしもいいこととは言えないのではないか」
これらの意見は、ばくぜんとした感想に過ぎないので、これらの意見を基に論陣を張ろうという新聞人はいないだろう。だが商業ジャーナリズム側の多くの人間がこうした思いを抱くのであれば、商業ジャーナリズムが先頭に立って参加型ジャーナリスムの時代を切り開いていくことはないだろう。一般大衆の情報発信を取り入れた参加型ジャーナリズムが民主主義にとって朗報であり、商業ジャーナリズムの目指すべき方向だということを、事例を交えて説得していくことがわたしの仕事だと思う。