なぜブログの議論は建設的になるのか |
そこで小林さんの「小林ScrapBook」の議論を借用。
かつてのネットコミュニティの主役であった掲示板には、「数=力」という関係が存在していました。
例えば正論を言う人が1人、それに対して反論する人が10人だとすると、多人数側の勢いに負けて正論がかき消されてしまい(物理的にログが流れ、目立たなくなってしまう。ひどいときには消えてしまう)。また「数の暴力」によって、いいことを言っている人が先に疲弊し、姿を消してしまうという悲しい事態があちこちで見られました。
何しろ10人に反論するにはそれだけの時間が必要だし、頭だって使います。実際にはそこまで反論する必要もないのですが、律儀な人はやってしまう。そうすると表現に粗が出やすくなり、そこで揚げ足取りのようなことをされたり、そうなったらそれを訂正して回る羽目になり、だんだん話が本筋から離れていき……、と散々です。
ブログはこの点、自分の主張すべき場で一度きちんと発言すれば(ブログに記事を発表すれば)流れてしまうことはなく、周囲のノイズにすべて反応する必要もなく、後はどちらが正しいかは読者の判断にまかせる、という姿勢をとりやすくなっています。読者としても、両方を読み比べやすいし、トラックバックというシステムの非常にいいところで、1意見に対して10の反論があったら、1の方が目立つようになっています。
そのため数との戦いをする機会が減る、無駄な言い合いをする必要がなくなり、より建設的なことに時間を使える、というのがブログの優れた点だと考えています。