2004年 08月 29日
報道機関ライブドアの可能性 |
ライブドアの報道部門の拡充計画は詳細が明らかになっていないものの、やろうとしていること、できそうなことはある程度予測可能だ。
まず独自取材のための人材を確保することで、従来型のジャーナリズムに乗り出そうとしている。ただし陣容は約40人とやや少な目。米国ではMarketWatchという経済分野に特化したネット上の報道機関が登場しているが、取材対象を経済分野に絞っていても約60人の記者を抱えているという。ライブドアは、政治、経済、社会とすべての分野を40人でカバーするつもりらしい。それでは2万人の記者を抱える新聞業界に勝てるわけはない。
そこで新聞ジャーナリズムがカバーしない、もしくは深堀りしない特定の事件やテーマを追うことになるのであろう。ということは、報道機関ライブドアは、新聞ジャーナリズムよりも雑誌ジャーナリズムに近い報道を行うようになるのではなかろうか。
また一般ユーザーも記者になれるという仕組みは、韓国のオーマイニュースを参考にするのだろう。ただオーマイニュースの成功の背景には、韓国の国民の新聞ジャーナリズムに対する不信感があるといわれる。日本の国民の間にも新聞に対する不信感は存在するものの、韓国ほどひどくないという統計をどこかで見たことがある。(時間があるときに探してみます)
不信感がそれほど高くないのであれば、ライブドアの市民記者になろうという人もそれほど多くはないだろうし、市民記者の書くニュースを読みたい人もそう多くないだろう。しかし逆の言い方をすれば、もしライブドアの市民ジャーナリズムに人気が集まるようなことがあれば、それだけ新聞に対する不信感が強まっているということになる。この試みで、新聞と読者の本当の距離を測れるかもしれない。
一方、ネット上でジャーナリズム活動を行っている個人や組織と提携し読み応えのあるコラムを提供するという部分は、ブログが普及し始めた今だからできる新しい試みだ。
ブログサービスを提供するポータルは、客寄せパンダ的に有名人ブロガーを集めるという同じような戦略を採っているところが多い。しかしリアルな社会での有名人がネットの言論空間でのオピニオンリーダーになれるとは限らない。また一部ポータルが開設しているブログポータルは、取り扱っている言論分野が多岐に渡っているため、かえっておもしろくない。
そんな中でライブドアは、ニュース関連の言論という切り口でオピニオンリーダー的ブロガーを1つに集めようという戦略に出るわけだ。リアルの社会では有名でないもののネット上ではオピニオンリーダーになっているブロガーは数多く存在する。他のポータルが有名人の囲い込みに躍起になっている今なら、そうしたブロガーの囲い込みは可能だろう。うまく行けば、非常におもしろい言論空間ができるかもしれない。
ライブドアのことだから、このほかにもおもしろそうな仕組みや技術を次々と試してくれるだろう。注目したい。
わたしが身を置く新聞業界は残念ながら、後手後手に回ることになりそうだ。
そうした既存マスコミをしり目に、ライブドアは新しいジャーナリズムの境地を確立するのだろうか。それともライブドアは実験材料になるだけで、実験結果を参考に既存マスコミが自己変革し21世紀もジャーナリズムの主役であり続けるのだろうか。
まず独自取材のための人材を確保することで、従来型のジャーナリズムに乗り出そうとしている。ただし陣容は約40人とやや少な目。米国ではMarketWatchという経済分野に特化したネット上の報道機関が登場しているが、取材対象を経済分野に絞っていても約60人の記者を抱えているという。ライブドアは、政治、経済、社会とすべての分野を40人でカバーするつもりらしい。それでは2万人の記者を抱える新聞業界に勝てるわけはない。
そこで新聞ジャーナリズムがカバーしない、もしくは深堀りしない特定の事件やテーマを追うことになるのであろう。ということは、報道機関ライブドアは、新聞ジャーナリズムよりも雑誌ジャーナリズムに近い報道を行うようになるのではなかろうか。
また一般ユーザーも記者になれるという仕組みは、韓国のオーマイニュースを参考にするのだろう。ただオーマイニュースの成功の背景には、韓国の国民の新聞ジャーナリズムに対する不信感があるといわれる。日本の国民の間にも新聞に対する不信感は存在するものの、韓国ほどひどくないという統計をどこかで見たことがある。(時間があるときに探してみます)
不信感がそれほど高くないのであれば、ライブドアの市民記者になろうという人もそれほど多くはないだろうし、市民記者の書くニュースを読みたい人もそう多くないだろう。しかし逆の言い方をすれば、もしライブドアの市民ジャーナリズムに人気が集まるようなことがあれば、それだけ新聞に対する不信感が強まっているということになる。この試みで、新聞と読者の本当の距離を測れるかもしれない。
一方、ネット上でジャーナリズム活動を行っている個人や組織と提携し読み応えのあるコラムを提供するという部分は、ブログが普及し始めた今だからできる新しい試みだ。
ブログサービスを提供するポータルは、客寄せパンダ的に有名人ブロガーを集めるという同じような戦略を採っているところが多い。しかしリアルな社会での有名人がネットの言論空間でのオピニオンリーダーになれるとは限らない。また一部ポータルが開設しているブログポータルは、取り扱っている言論分野が多岐に渡っているため、かえっておもしろくない。
そんな中でライブドアは、ニュース関連の言論という切り口でオピニオンリーダー的ブロガーを1つに集めようという戦略に出るわけだ。リアルの社会では有名でないもののネット上ではオピニオンリーダーになっているブロガーは数多く存在する。他のポータルが有名人の囲い込みに躍起になっている今なら、そうしたブロガーの囲い込みは可能だろう。うまく行けば、非常におもしろい言論空間ができるかもしれない。
ライブドアのことだから、このほかにもおもしろそうな仕組みや技術を次々と試してくれるだろう。注目したい。
わたしが身を置く新聞業界は残念ながら、後手後手に回ることになりそうだ。
そうした既存マスコミをしり目に、ライブドアは新しいジャーナリズムの境地を確立するのだろうか。それともライブドアは実験材料になるだけで、実験結果を参考に既存マスコミが自己変革し21世紀もジャーナリズムの主役であり続けるのだろうか。
by tsuruaki_yukawa
| 2004-08-29 23:45
| 報道機関ライブドア